【2026年行政書士法改正】― 処罰のリスクを回避するため、今こそ正しい対策を ―

令和8年1月1日、改正行政書士法が施行されます。
これにより、改正前と同様に車両の販売などで報酬を得て、登録や車庫の書類作成を代行した場合、従業員だけでなく法人にも罰則が科される恐れがあります。
(※書類作成費用を無償とした場合であっても、代行は違法となります)
『え? 昔から代行しているけど…』
『車両を販売して代金もいただいているし、うちは“サービス”としてやっているだけだから関係ないよね?』
そのように思われた方も、ぜひ一度、以下の内容をご確認ください。
(※以下の解説は、従業員や会社がリスクを避けるための情報提供であり、特定のポジショントークは含まれておりません)
はじめに
日本行政書士会連合会が、令和7年12月24日付で、自動車販売会社が行う自動車登録・車庫証明手続に関し、行政書士法違反となる可能性のある具体例を示した通知を公表しました。
以下、公式資料の内容を引用し、要点を整理しました。
自動車販売店・整備業者様などにおかれましては、コンプライアンス対応と顧客保護の観点から必読となります。
🚗 1. 車庫証明書の申請業務において行政書士法違反と考えられる例
① 自動車販売会社の販売員が、自社が販売した車両に係る車庫証明申請書の作成を代行すると、例え、作成費用を無料としても、車両の販売代金や整備代金等に報酬が含まれていると考えられることから行政書士法違反となるものと考えられる。
② 車庫証明申請書を作成するため、自社の顧客情報・車両情報のデータベースを用いて申請書を作成した場合も、①と同様の理由により行政書士法違反となるものと考えられる。
③ 車庫証明申請書及び添付書類を警察署に提出後、車台番号の追記や記載内容の訂正・補正を行うと、行政書士法違反となるものと考えられる。仮に、警察署の署員等から求められた場合であっても行政書士法違反となるものと考えられる。
🚙 2. 自動車登録業務において行政書士法違反と考えられる例
① 自動車販売会社の販売員が、自社が販売した車両に係る自動車登録申請書の作成を代行すると、例え、作成費用を無料としても、車両の販売代金や整備代金等に報酬が含まれていると考えられることから行政書士法違反となるものと考えられる。
② 自動車登録申請書を作成するため、自社の顧客情報や車両情報データベースを用いて作成した場合も、①と同様の理由により行政書士法違反となるものと考えられる。
③ 自動車登録申請書及び添付書類を運輸支局等に提出後、追記や記載内容の訂正・補正を行うと、行政書士法違反となるものと考えられる。仮に、運輸支局等の職員から求められた場合であっても行政書士法違反となるものと考えられる。
📝 3. 自動車販売会社様などが特に注意すべきポイント
- 本通知では、車庫証明申請業務と自動車登録業務において行政書士法違反となるものと考えられる例を示したが、行政書士法に定められた官公署に提出する一切の書類、権利義務・事実証明に関する書類すべて同様の考え方であること。(他の法律において制限されているものを除く)
- 改正法により、第19条第1項に『いかなる名目によるかを問わず報酬を得て』の文言が加えられ、行政書士や行政書士法人でない者が、他人の依頼を受け『会費』、『手数料』、『コンサルタント料』、『商品代金』等のどのような名目であっても、対価を受領して、業として、官公署に提出する書類その他の権利義務又は事実証明に関する書類、実地調査に基づく図面類を作成することは違法であるという現行法の解釈が明示されたこと。
- 両罰規定により法人にも罰金刑が科されるが、行政書士法違反により刑罰を受けることとなれば、コンプライアンス違反による信用失墜ばかりか、顧客離れにつながるなど、企業経営に計り知れない悪影響を与えることとなること。
- 本通知では、主な行政書士法違反となるものと考えられる例を記載しており、記載のない事例でも違反にならないとは限らないこと。
自動車販売会社による登録・車庫証明手続で行政書士法違反となる例より引用(日本行政書士会連合会通知より)
✅ 改正のポイント ―「資格なき代行」は違法に
法改正のポイントは、以下の文言の追加です。
従来の行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限規定に、【他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て】の文言が加えられたこと(第19条第1項)
つまり、販売店様などが顧客に対して、
- 車庫証明(※OSS申請の例外あり)
- 新規登録/検査(※OSS申請の例外あり)
- 継続検査(※OSS申請の例外あり)
- 移転登録
- 変更登録
などの書類作成を代行し、名目を問わず報酬を得る行為は違法になるということです。
【※総務省令で定める者(自販連,振興会などの社団法人)を経由せず、自社のみで行うOSS申請は例外には該当しません】
また、この他に注意すべき改正点は【両罰規定の導入】です。これは、違反行為を行った従業員だけでなく会社(法人)も責任を負うというものです。
つまり、『従業員だけの責任』では済まされず、会社全体の信用が傷つくなど重大な事態となる恐れがあります。
⚠️ 販売店様などに迫るリスクとは?
以下のケースに該当した場合、罰則の対象になる恐れがあります。
- 車両の販売などで金銭を得て、書類作成費用は無償として代行している
- 『書類作成料』『登録代行料』『納車諸費用』などの名目で費用を請求し、書類作成を代行している
- 名目を変更したとしても、登録などの書類作成を代行し、報酬が発生している
- 法定費用(印紙代や種別割など)を超える金額を、『手数料』などとして請求し、書類作成を代行している
⚠️よくある誤解と注意点
❌ 『これまで通りでも問題ないよね』
- 今回の法改正により、これまでの慣行は違法と判断される可能性が高いと考えられます。
また、違法と判断されれば一年以下の拘禁刑や罰金刑の処罰を受けることになります。
❌ 『無料サービスでやれば大丈夫だよね』
- 車両などの販売で受領した金銭が報酬と判断された場合は、違法となります。
❌ 『車庫や登録の代行は関係ないよね』
- 令和8年1月1日施行の改正行政書士法は、これまで黙認されてきた慣行は通用しないと判断すべき、極めて重要な法改正となります。
さらに、本改正は自動車販売業などに限らず、全業界を対象として適用されます。
📝 今すぐできる対策
① 契約書・見積書の見直し
報酬性が疑われるような項目(登録代行料など)がないかを確認し、修正や削除などの対応をする。
② スタッフ教育の実施
営業や事務などの従業員が違法行為に関与しないように、適宜、情報共有をする。
③ 書類作成について、行政書士への委任or本人作成の選択肢を顧客に明示
いわゆる代書を希望される顧客に対しては、書類作成は行政書士のみが行い、自社は関与していない旨を説明したうえで必ず口頭等により同意を得る。
🎯 行政書士との連携で「安心と効率」を両立
行政書士に車庫証明や登録の代行を依頼することで、
- 時間の節約
- 法令順守による社会的信用の向上
といったメリットが得られます。
また、当事務所では、『違法性を生じさせない実態づくり』を重視し、改正法施行後も、安心してご依頼いただける体制を整えています。
📌 改正行政書士法施行後の当事務所の対応方針
法改正により書類作成に関する代行などが厳格化されましたが、当事務所では、法改正の趣旨を正しく踏まえたうえで実務に即した、現実的な運用を重視したいと考えています。
📝 委任状の取り扱いについて ― 車庫の単発依頼などは委任状なしでのご依頼も対応 ―
これは形式を軽視する趣旨ではなく、業務内容、依頼経緯および報酬関係を明確にしたうえで、当事務所としては法改正前と同様の適法性を確保した対応が可能であると判断しています。
また、法改正で重要なポイントは、『委任状という紙があるかどうか』ではなく、
- 誰から、どのような依頼を受けているのか
- 業務内容と報酬関係が明確か
- 実質的に書類作成を行っているのは誰か
などの実態と考えます。
当事務所では、この点を踏まえ、法令上、委任状の提出が義務付けられていない手続きについては、法改正後も、委任状なしでの単発依頼も対応いたします。
※※申請書が既に作成されており、委任状が添付されていないご依頼につきましては、適法性を担保するため、当事務所の行政書士が作成者として申請書を再作成いたします。(現時点では委任状の添付は求められておりませんが、法改正後の関係機関等の運用状況によっては、当事務所の対応方針を変更する場合があります)
✉️ ご依頼などのやり取りは『記録が残る方法』に限定
当事務所では、開業当初より、ご依頼者様との業務内容に関する詳細なやり取りは、※電話ではなく、メールおよびLINEに限定して行っています。
これは業務効率のためだけではなく、
『いつ・誰から・どのような内容の依頼を受けたのか』などを、
明確に記録として残すことを重視しているためです。
※即時に確認等が必要なケースでは電話も併用しています。
🛡️ 改正行政書士法施行後を見据えたリスク管理
改正行政書士法の施行後は、依頼内容や業務範囲が不明確なまま業務を行うこと自体が、リスクにつながる可能性があります。
当事務所では、ご依頼者様とのメールやLINEでのやり取りを通じて、
- 依頼の経緯
- 業務内容の範囲
- 報酬や費用に関する合意
を相互に客観的な記録として残す運用を行っています。
これにより、委任状を原則任意とする場合であっても、依頼関係や業務実態を説明できる証拠性を確保しています。
📚 『口頭だけにしない』ことが、ご依頼者様の安心に
電話だけでのやり取りは手軽な反面、後から内容を客観的に共有できず、『言った・言わない』のトラブルにつながることもあります。
当事務所では、やり取りを相互に記録として残すことで、行政書士側だけでなく販売店様などのリスク軽減にもつながると考えています。
🔚 まとめ
2026年の行政書士法改正は、四輪・二輪の販売店様以外の業界にも広く影響が及ぶ大改正となります。
『うちは今まで通りで大丈夫』という考え方は、令和8年1月1日施行の改正行政書士法のもとでは通用しない可能性が高いと考えられます。
当事務所(埼玉県行政書士会会員:丁種会員)では、車庫証明から登録の代行までフルサポートで承っております。
ご不明な点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

